「無い」とわかっていると、余計に欲しくなる。人間って、そういう生き物なんでしょうね。
商品部のジンシャンです。
最近の私の休日は、ちょっと特殊な任務を帯びています。車で出掛ける際、ルート上に文具店、雑貨屋、本屋があれば、時間の許す限り寄り道をする。そして、ある「お宝」の在庫をチェックして回るのです。
そのお宝の名は、「ボンボンドロップシール」。

明確な定義は私もよく分かっていないのですが、ざっくり言えば「ぷっくりした質感」のシールです。小学3年生になる娘がこれに猛烈にハマっているのですが、困ったことに、今どこに行っても売っていないのです。
シールコーナーに行くと、あるのは「ただいま在庫切れ。次回入荷未定。」という無情な張り紙と、すっからかんの棚のみ。
この「手に入らなさ」が、かえって娘の収集心に火をつけたようです。 「とにかく外出先で探してきて!」と指令が下りました。たとえ私(父)一人の時であっても、です。
想像してみてください。 キラキラした可愛いグッズが並ぶコーナーに、ポツンと立つ四十過ぎのおじさん。子どもたちに混じって、必死にシールの厚みをチェックする姿を。正直、かなり恥ずかしいです。しかし、これも愛する娘のため。
たまに、わずかに残った商品に出会えることもあります。その際は、即座に自宅の妻へ電話。妻を介して娘の「ジャッジ」を仰ぐのですが……その基準が、どうにも私には理解不能なのです。
【ある日のジンシャン家・電話実況】 (※妻は横にいる娘に確認しながら)
私:「あった!娘が好きな『たまごっち』のシールがある!」
妻:「……それ、ぷっくりしてる?」
私:「いや、してない。……『フレークシール』って書いてある。バラバラのやつ。」
妻:「それは要らないって」
私:「ええっ、たまごっち好きなのに!? ……じゃあ、寿司ネタが色々載ってる『ぷっくりしたシール』ならあるよ。いや、寿司ネタはいらんか笑」
妻:「それ、どのくらいぷっくりしてる?」
私:「いや、価値基準そこ!? 2〜3ミリくらい厚みはあるけど……でも寿司だよ! 『私、中トロが特にお気に入りなの!』とか言ってノートに貼るわけ?」
妻:「……うるさいって。それは買わなくていいってさ」 (※ちなみに、購入代金は娘の小遣いから引かれます)
もはや娘にとっては「絵柄」よりも「ボンボンドロップシールであること」自体が目的、いわば「恋に恋している状態」に思えてなりません。
好きなキャラクターを集める楽しさは分かります。でも、寿司ネタで心が揺れるとは……。「無いものほど欲しくなる」という人間心理の深淵を見た気がしました。
そんな毒づきたくなる気持ちをグッと堪え、今日も私はシール棚を探します。なんだかんだ言いつつ、こうして娘と共通の話題(と任務)があることに、感謝しなきゃいけないなと思う今日この頃です。
