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2025年8月Vol.149 サクッと小噺 
サクっと読書感想文 ≪ アキラとあきら ≫

《 アキラとあきら 池井戸潤 著(集英社文庫) 》

書籍20250905.png半沢直樹、下町ロケット、空飛ぶタイヤ、ロスジェネの逆襲・・・
池井戸潤さんは元銀行員の経験を活かして、
銀行やビジネスをテーマにした小説を数多く執筆される大人気作家です。
私も日曜劇場『半沢直樹』のときには御多分に漏れず「倍返しだ!」に熱狂したクチです。
そんな池井戸さんが2006年〜2009年に連載して、2017年に文庫化された『アキラとあきら』。
アキラは産業中央銀行員。あきらも同期の銀行員でしたが、
実家(東海郵船)が倒産の危機に陥ったのを機に、銀行をやめて家業を継ぎます。

●アキラとあきらが直面する問題

・東海商会、東海観光、東海郵船は、東海郵船を親会社とした東海グループで、産業中央銀行がメインバンクです。
・東海商会と東海観光が、東海郵船にライバル意識を燃やして、それぞれ独立します。
・東海商会と東海観光は、本業ではないリゾート事業に手を出し、その際に産業中央銀行と手を切って、
 メインバンクを三友銀行へ切り替えます。産業中央銀行はリゾート事業に反対したけれど、
 三友銀行は気前よくお金を貸してくれたからです。
・東海郵船は、東海商会と東海観光に「リゾートは儲かる」とそそのかされ、50億円の連帯保証を引き受けます。
・ところがリゾートは大赤字で、借金は140億円まで膨れ上がります。
・三友銀行は暴利です。この金利を低くすればリゾートをプラマイゼロまで改善できそうですが、
 三友銀行は金利を下げません。
・ここに来て、東海商会は自身の売却を望みます。
・「東海商会を50億で買う」という企業が見つかりましたが、リゾートの負債も運営も切り離すことが条件です。

このままだと東海商会と東海観光は破産します。その流れで連帯保証人の東海郵船も破産してしまいます。東海グループを
救う方法は無いでしょうか?

絶対ムリだーと関係者全員が絶望している中、アキラは稟議を書き上げます。その稟議書がスゴイんです! 
バラバラになった東海グループがまた1つになる、ならざるを得ない、提案です。東海グループを救うだけでなく、
産業中央銀行にとっても儲けが見込める良い話。ジャンルは職業小説ですが、推理小説のような謎解きと
解明の面白さがあって、読了感は「目から鱗!スッキリ爽快!!」でした。
半沢直樹もカッコよかったけど、あれは半沢直樹が、なんなら堺雅人が、カッコよかった。
これは「銀行員がカッコいい」物語でした。

どんな稟議だよー?と気になった方は、ぜひ読んでみてください。

イラスト20250905.png

 

この記事を書いた人サク

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