2022年3月Vol.108 サクッと小噺

※小噺は過去分を随時アップしております。内容に時差がある場合もありますが、是非ご覧ください。

「うちの子が1番かわいい」

よく聞くセリフですが、私も実際に子供を持ってみて、この言葉は真実だと実感しました。妊娠すればお腹がでて歯肉が腫れて足がつって、出産すれば髪が抜けて肌が荒れて骨がもろくなるのに、うちの子が1番かわいい。
赤ちゃんはウンチオシッコを垂れ流すので布団を汚される事もあるし、夜泣きがひどくて家族一同眠れない夜もあるし、歩き始めたら階段から落ちたり机に登って落ちたりと、親は心休まる瞬間など無いわけですが、やっぱりうちの子が1番かわいい。ここまで親の幸福センサーを狂わせるのは、次世代を育てさせるホルモンの働きが大きいのでしょうが、客観的な理由も見つけました。

赤ちゃんや小さな子供は自分の感情に正直です。愛想笑いはできません。慣れない場所や慣れない人に会うと、緊張して顔がこわばります。良くても無表情、悪ければ泣きます。そして、私達が「よその子」に接する時、その子は緊張しているケースが多いです。つまり「その子の中では可愛くない表情」をしているのです。
その一方で、私達が「うちの子」に接する時、子供はリラックスしているケースが多いです。笑って、驚いて、怒って、泣いて、また笑って・・・表情がクルクル変わりますが、無表情はめったにありません。つまり「その子の中でも可愛い表情」をその子の親には次から次へと見せてくれる、と言えます。それゆえ、どの親も「うちの子が一番かわいい」と感じるのですが、そもそも比較する表情がフェアではないのです。「よその子」の1番可愛い顔は、他人の私達はなかなか見ることができないのですから。

頑張った分だけ喜びが増すのは育児以外にも当てはまる現象です。たとえばグループ旅行をする際、その旅行をもっとも楽しめるのは、実際に計画した人だそうです。現地で観光する際に下調べの知識があるほうが感動が大きくなりやすいからです。たとえば恋愛関係では、相手を落とすまでに費やした時間やお金のコストが大きいほど相手を深く愛するようになるそうです。たとえば会社が新商品を発売するとき、スタッフ皆が嬉しいけれども1番嬉しいのは開発担当者です。
P.D.R.も新商品を発売する際は販売予想をたてますが、開発担当者の予想数が一番多いです(=その商品を1番高く評価しているという事です)。このように、人は自分自身が努力するほどに、面白くて愛おしくて嬉しく感じる傾向があります。子供にはけっこうな労力と時間と費用を消耗されますから、うちの子を1番かわいく感じるのは、この理屈からも納得できるのです。

私も母親になってもうすぐ2年。これからもいろいろあるでしょう。「うちの子が1番かわいい」という感情がどう変わっていくのか、楽しみです。

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