サクのサクッと小噺
STAFF BLOG

2024年3月Vol.132 サクッと小噺 2024年04月17日

※小噺は過去分を随時アップしております。内容に時差がある場合もありますが、是非ご覧ください。

全国で続々と桜が開花していく3月末・・・
桜に押されてあまりニュースになりませんが、まさに今、白木蓮(ハクモクレン)が見頃の地域もあるようです。
木蓮というと紫色が有名ですが、紫木蓮(シモクレン)よりすこし早く咲く白木蓮(ハクモクレン)をご存知ですか?
白木蓮はもちろん白色。幹は10〜15mほどの高さがあるので、結構迫力があります。花弁は厚めでぽってりとしていて、全開に開くのではなく控えめな開き方・・・チューリップのような形です。色は純白ではなくオフホワイト。
漂白されたような真っ白ではなく、自然らしさのあるやや黄味がかった白色です。

白木蓮は咲く時期が絶妙というか残念というか・・・。
梅の散り際、桜の開花直前が、白木蓮の時期にあたります。
開花から散るまで3〜4日という短命な花です。とても短命だし、花木(かぼく)の二大巨頭ともいえる梅と桜に挟まれているため、残念ながらあまり話題になりません。でも、とてもとても綺麗です。
白木蓮が咲く頃は、春めいて空が一段と青くなる頃なので、青空に白い花がよく映えます。
一方で地上はスミレやパンジーやタンポポなどカラフルになりますから、そこにスッと立つ白い花はとても映えます。
私が白木蓮を見るたびに連想するのは「30代〜40代の花嫁」です。20代の花嫁はもっと純白で無垢で清楚な感じ・・・
花ならスズランやカスミソウのイメージです。一方で30代〜40代の花嫁は、純粋無垢に見せかけていてもそうではありません。酸いも甘いも知った上で、白いドレスに隠しています。それが白木蓮の花にかぶります。花弁に厚みがあり、控えめにしか開かないので子房や花柱が隠れていて、黄色い下地に白を上塗りしたような含みのある白で、人に見下されるのではなく見上げられる位置に咲く。なんとも大人な色気ではないですか。
美しい期間が短いということについては、えー、発言を控えます。
純白の可憐な花もいいけど、私は白木蓮の白さが好きです。ちなみに私の個人的な嗜好ですが、女性は20代も可愛いけど、30代以降はより美しいと感じます。

近所に白木蓮はありませんか? ちょっと気にして探してみてください。

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2024年2月Vol.131 サクッと小噺 2024年03月18日

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フェミニズム
もうすぐ3月8日、国際女性デーですね。女性の権利や平等や社会参加を考える日として、国連が制定した記念日です。
この時期は、新聞などの各種メディアでも、フェミニズムのトピックスが増えます。政治やビジネスで活躍する女性が紹介されたり、努力や実力があっても「女だから」という理由で虐げられる女性が紹介されたり、日本の男女平等が他国に比べていかに遅れているかを紹介したり・・・。私も1人の女性として、こういった記事には意識が向きます。その一方で、これらの記事ではなかなか話題にはあがらない、別の視点も思い出します。15年ほど前、大学のフェミニズムの授業で教授が放った一言です。


〜フェミニズム〜
性差別をなくし、性差別による不当な扱いや不利益を解消しようとする思想や運動のこと。
歴史的には女性開放が焦点である時期が長くて、女性の性差に起因する政治的、経済的、社会的、文化的、心理的など、あらゆる不平等を撤廃しようとする思想や運動を指す。
最近は、性別に関わらず、自分らしさを求める主義思想とする考え方も見受けられる。

フェミニズムの授業で、教授は何人かの哲学者について話していました。最も高名な1人はシモーヌ・ド・ボーヴォワールでしょうか(1908年~1986年フランスの哲学者。女性。フェミニズムや実存主義の思想を広めて、自分自身も思想を体現した人生を貫いた)。彼女のような女性哲学者達は、女性が男性の従属物や所有物のように扱われる常識を疑い、批判して、多くの女性達の目を開きました。「自立したい。私達も主体である」と。
ここまでがフェミニズムの王道理論ですが、むしろ私が印象深かったのは、教授がこの後に雑談として話した内容です。「感銘を受けた多くの女性達…つまり一般大衆…は、ボーヴォワールの主張を素直に受け入れて称賛した。
でもボーヴォワール自身や他の女性哲学者達は悩んだかもしれない。彼女たちの主張は、端的に言えば、「今まで男が独占していたことを、私達も欲しい」ということだ。政治的地位、学歴、高い給料、仕事の裁量、家庭での発言権など。それらを「欲しい」と主張することは、それらの価値を認めることになる。男が必死になって獲得してきたもの…
男の価値観…に合流することになる。本当にそれで良いのか?男の価値観を傍観しながら「もっと大切なことがあるのに」と鼻であしらう、女の価値観を確立するほうが良い、という可能性もあるのではないか?」

つまり、「男女は平等。男に追いつけ追い越せ」と同じ土俵に立つ考え方ではなく、「男女は違う。男が価値を認めることに女は価値を認めないし、その逆もしかり」と違う土俵を作る考え方です。私はこの時、なんて難しいことを思いつくんだ…と驚きました。既に存在する価値を「私達も欲しい」と言うよりも、存在しているかもしれないけどまだ言語化されていない、確立されていない価値を創り出す方が難しいです。また、これは「女の幸せ」といった類の言葉で、結局女性を抑圧する方向に進んでしまうリスクもはらんでいます。

本当にボーヴォワールにこのような葛藤があったかは分かりません。ただ、人類の遺産ともいえる頭脳を持つ人ですから、こんな言い方も何ですけれど、一介の大学教授が思いつくような事は、思いついたのではないかと思います。
彼女は悩んだけれど、当時の女性達の現状から「今の優先事項は、男が独占してきたことを、女も得ること」と決心したのでしょう。それで本当に女性は幸せになるのか、それで本当に社会は良くなるのか、は男女間の不平等が解消してから改めて考えれば良い、と思ったのかもしれません。その判断はありがたかった、と現代に生きる私は思います。
昨今は、ボーヴォワールの時代に比べればずいぶん女性の立場は向上しましたが、ジェンダーギャップ指数は依然としてあります(政治・経済・教育・健康の観点から男女の平等を数値化したもの)。今の社会をボーヴォワール達が見たら、なんて言うのでしょうか。「頑張っているけどまだまだね。女性進出をもっと進めましょう」と言うのか、「ずいぶん平等になったね。そろそろ女性ならではの価値観の創造に移りましょう」と言うのか。
ぜひ一度ゆっくりお話ししてみたいものです。

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2024年1月Vol.130 サクッと小噺 2024年02月15日

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《大寒》

私は大寒が好きです。いえいえ、寒いのが好きというわけではなく、「大寒の次が立春」という二十四節気の並びと、「最も寒い時期が、冬の真ん中ではなく、冬の最後に来る」という順序が好きです。
寒さに震えていても「次は立春」と思えば耐えられるし、「もっとも寒い時期は、春の直前」という現象は、人生にも反映できて励まされるからです。
二十四節気において、冬は立冬(りっとう)〜小雪(しょうせつ)〜大雪(たいせつ)〜冬至(とうじ)〜小寒(しょうかん)〜大寒(だいかん)に分けられます。立冬の始まりは例年だいたい11月7日頃で、大寒の終わりは2月3日頃です。この3ヶ月間の冬において、寒さのピークが真ん中ではなく最後というのが、そしてその後には春が立つというのが、季節のなんとも粋な計らいだなぁ〜と思うんです。
この大寒から立春への変化を、人生にも当てはめて考えると、励みになりませんか。
辛い時、「今は人生の大寒。次は立春」と考えることができたら、幾分ラクになりそうです。
大寒の次は春爛漫(はるらんまん)、ではない、というところがまた良いのです。
大寒の次はあくまで立春で、春が立つだけです。立春はまだかなり寒いです。二十四節気では立春のあとに、雨水(うすい)〜啓蟄(けいちつ)〜春分(しゅんぶん)と続きますが、雨水は雪が雨に変わる頃で、啓蟄は虫が冬ごもりの虫が地中から顔を出す頃で、春分は昼と夜の長さが同じになる頃です。
つまり、立春時点ではまだ雪も降るし、虫は冬ごもり中だし、昼より夜の方が長いということです。それでも、少しずつ少しずつ、気づかない程少しずつ、春の気配が地表を覆い始める・・・それが立春です。
人生において、大寒のあとに春爛漫が訪れるなんて言われたら「そんなに甘くないよ」と思います。
でも、大寒のあとに立春・・・まだ寒いけど少しずつ春に向かっていく時期・・・が来ると言われたら、信じられます。実際、私はまだ36年しか生きていませんが、今までの人生で「あれは辛かった」という事を思い起こすと、大寒のあとに立春、というのは実感と合うんです。

今年の大寒の終わりは2月3日。2月4日からは立春です。
皆様にとって良い春が来ますように!

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2023年12月Vol.129 サクッと小噺 2024年01月17日

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≪5年日記≫
もう今年も終わりですね。2023年は皆様にとってどんな年でしたか?年末から年始にかけては毎年いろいろな事を思いますが、私の場合は毎年必ず積み重なる財産として、「日記がまた1年分増える」ということが挙げられます。
私は2015年1月1日から5年日記を書いているので、これで丸9年分の記録が溜まる事になります。
5年日記とは、5年分の同月同日が1ページにおさまったスタイルの日記帳で、いま私は2冊目です。


たとえば、2023年12月10日の日記を書くときに、自然と過去の同月同日の日記も目に入ります。すると、「風邪に気をつけよう」とか「クリスマスケーキ予約しなきゃ」とか「年賀状を買わなきゃ」とか、気づくことがあるわけです。そして2024年の同月同日には遠方の妹に想いを馳せるのでしょう。
過去の同じ時期に自分が書いたコメントって、後々とても有益な情報になります。私は1年目(2015年)は正直つまらなかったけど、そこさえ乗り越えたら、とっても楽しくて便利になりました。

同月同日だけでも重宝しますが、たまに1ヶ月先まで読み返すと、5年日記は更に効果を発揮します。たとえば「昨年の母の日は前日に慌ててプレゼントを手配したものの、母の日当日には届かなかったが(日記を読み返して早めに手配したので)今年はステキなプレゼントを余裕を持って準備できた」や、「昨年は11月に風邪をひいたが(日記を読み返して服装や休養に気を配ったので)今年は元気に過ごせた」など。
私があまりにも5年日記を勧めるものだから、同僚5人が5年前に5年日記を買いました。
初年度は「特に書くことないね」「コートをクリーニングに出したとか、日記というより備忘録みたい(笑)」なんて感想が聞こえましたが、5年たった今、続けている人は、「コレは自分専用の自分マニュアルだ!もはや財産だね!!」と価値を実感してくれています。そうなんです!5年日記って、自分専用の自分マニュアルになるんです!

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2023年11月Vol.128 サクッと小噺 2023年12月18日

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≪産後クライシス≫
いつもお世話になっております。サクです。今年の初夏に第二子を出産して、今は産後クライシス期にあたります。産後クライシスをご存知ですか?あるTV番組で提唱された用語で、産後2〜3年間で夫婦仲が急激に悪化し、場合によっては破綻してしまう現象を指します。お互いに愛情を失っていくのですが、妻から夫への冷め方が特に顕著なようです。

産後クライシスの一因は女性ホルモンの急降下と言われています。妊娠中は多種類の女性ホルモンが増えて、普段の1000倍まで増えるホルモンもあるのに、これが出産したとたん激減して一時的に老人並の数値まで下がるそうです。私は生物学的な知識は皆無ですが、それでも、ホルモンが通常の1000倍まで増えることも、それが急落することも、数値のブレとしては異常事態であり、心身が大きく乱れることには納得です。

更に、経膣分娩ならお股が痛いし、帝王切開ならお腹が痛いし、母乳が出ても出なくても胸が痛いし、肌は乾燥するし、髪は抜けるし、口は乾くし、ろくに眠れないし・・・

など、個人差はあるものの、みんな何らかの(もしくは全ての)体調不良を抱えながら、赤ちゃんの育児が始まります。体も生活も一変する妻と違って、夫の体は変化しないので、そのままの生活を続けることも可能です。昨今のパパママ教室では「夫がそのままの生活を続けると夫婦愛は冷めていき、共に育児すると夫婦愛は徐々に回復します」と教わります。

私の夫は家事育児に取り組むので、専業主婦より共働きを望む私には良いパートナーです。出産した妻に余計な一言も言いません(お腹たるんだままだね、とか)。それでも、産後クライシスはあるのですねぇ。我ながら「私ヒドイ」と分かってはいるのですが、夫への愛が減っていくのです。
毛穴レスで柔らかい赤ちゃんの肌に比べて、夫の肌はなんて汚いんでしょう。
毛穴が開いて、ヒゲが生えて、角質が固くなっています。
ふんわり母乳の香りがただよう赤ちゃんに比べて、夫はなんて臭いんでしょう。
汗と垢と脂が混じった臭いがします。

わかってます、わかってます、ヒドイ事を言っているのは。赤ちゃんの肌や体臭と、大人のソレを比べるなんておかしいです。むしろ普段より汚いのは夫より私です。出産直前まで夫を汚いとは思わなかったのに、出産が済んだとたんにこんな感情を抱くなんて、不思議ですね。調べてみると珍しい現象というわけでも無いようで、いろんな説が出回っています。
たとえば「乳児はつきっきりでお世話しないと死んでしまうため、母親は本能的に新たな妊娠を避けようとする。自分を妊娠させる可能性がもっとも高い相手、つまり夫を、とりわけ避けることもある」など。なるほど…今の私は理論より本能で動いている。
私ってドウブツだなぁと思いました。もちろん産後もラブラブな夫婦も沢山いて、その方がゼッタイ幸せですが、私のようなケースも珍しくないと知っておくと、いざというとき役立つかもしれません、ね・・・。

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2023年10月Vol.127 サクッと小噺 2023年11月16日

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1年で1番好きな月は? 1年の中でいらない月は?
ラジオ等でたまに話題になる、害のないどうでも良いテーマです。でも、二十四節気や歳時記など季節ネタが好きな私には結構面白くて、真剣に聞き入ってしまいます。いつも不人気なのは6月と11月です。6月は梅雨だからでしょう。せっかく5月に緑が眩しくなったのに、6月は連日の雨でテンションが下がります。雨と共に寒いとなんだか悲しいし、雨と共に暑いとムシムシして不快だし。一方11月は、具体的に何が嫌というより、「何もない」という意見が多いです。大型連休もない。これといった祭りもない。ハロウィンやクリスマスのような派手なイベントもない。なにかの季節のピークでもない。コレというイメージが沸かない、それが11月。ディズニーランドなどのテーマパークを見ても、デパートなどの商業施設を見ても、「11月って経済をまわすネタに欠けるのよね」という苦労は見て取れます。
余談ですが、私が作った歯ブラシに「1年歯ブラシ ピーグリップ」という商品があります。毎月、楽しく忘れずに歯ブラシ交換ができるように、ハンドルに各月の数字と

   

イラストが描いてあるのです。それをご覧いただいても、「11月はネタが無かったんだな」と感じていただけるかと思います(苦笑)。
たしかに、11月は1年の中で最も地味かなとは思いますが、私は11月が1番好きです。P.D.R.がある名古屋はもはや亜熱帯のような気候で、真夏はマレーシア出張帰りのスタッフが「名古屋のほうが暑い!」と嘆くほど。

10月はTシャツ1枚で過ごせる日も多くて、まだあまり秋っぽくなく、夏の余韻のほうが強いくらいです。
しかし11月に入ると、TシャツがロンTに変わり、ロンTの上にパーカーを羽織るようになります。空気も夏の余韻より秋の始まりの気配が強くなり、空も高く青く澄みます。
ハロウィンの喧騒は過ぎ去り、クリスマスの華やぎはまだ遠く、年の瀬の慌ただしさも無い・・・。
ただ、空を見上げて「秋っぽくなったなぁ。気持ちいいなぁ」とノンビリできる時期です。
こんな月が1年に1ヶ月くらい必要です。個人的には4ヶ月に1度あってもいいのにと思うくらいです。
さぁもうすぐ11月。今年も大変楽しみです。

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2023年8月Vol.125 サクッと小噺 2023年10月23日

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ラグビーワールドカップが開催中ですねっ!そろそろグループ別の試合も佳境を迎えて、トーナメント戦が始まります。今年はフランス開催なので、4年前の日本開催に比べると時差の関係で、少しだけ観戦しにくい試合時間もありますが、それでも楽しい大会です。
私は普段からスポーツの大会を熱心に観戦するほうではなく、毎回「にわかファン」として、その時に盛り上がっているモノを軽く楽しむ程度です。熱くなった記憶もたいして長続きしません。そんな私でも、4年前のラグビーワールドカップは鮮烈に覚えています。TV観戦中、何度も大笑いしてしまいました。「カッコ良すぎると笑っちゃう」という自分の新たな一面を知った大会でした。
ラグビーは「危ないからやめなさいっ」と言いたくなるようなプレーで溢れています。たとえばタックル。ボールを持って全力疾走するオフェンス選手を止めるために、ディフェンス選手は逆方向から全力疾走してきてオフェンス選手に飛びかかり、2人そろって地面に倒れます。一般人でさえ、お互いに逆方向から全力疾走して激突すれば痛いでしょう。それをゴツゴツの大男同士で行うなんて・・・。
骨が折れても、内臓が破裂しても、おかしくはありません。たとえばスクラム。両チームから特に筋力が強くて体重の重い複数人が出てきて、お互いにガッチリと体を組み合って、全力で押し合いへし合いします。
団体で行う相撲みたいなかんじです。一対一でも危ないのに、複数人で相撲なんて・・・。押し合っている最中も危険ですが、うっかり倒れたりスクラムが崩れたりしたら、下敷きになった選手は命を落としかねないほど圧迫されてしまいます。
それでいて、アメリカン・フットボールなどと違ってラグビーには防具らしい防具もありません。

ラグビー協会もラグビー選手も、ラグビーが危険をはらんだスポーツである事はわかっています。でも、彼らは危険な事をしたいわけでも、敵を怪我させたいわけでもなく、ただただ純粋にラグビーを楽しみたいし、素晴らしいエンターテイメントのような試合をしたいと考えています。そこで肝になってくるのが「ルール」と「信条」です。ラグビーは「今はタックルしてOK、今はタックルしたら反則」や「今は手を使ってOK、今は手を使ったら反則」など「今OKなプレー、今NGなプレー」が試合中にどんどん変わります。また、ラグビー用語で試合終了を「ノーサイド」と呼びますが、これは「試合が終われば敵味方なし」という意味です。更にラグビーは、「品位・情熱・結束・規律・尊重」という基本理念を持つ憲章も掲げています。
複雑なルール、独特の用語、憲章、これらはすべて「危険なプレーだからこそ、危険を排除しつつ楽しめるように作られた知恵」と言えるでしょう。
興味深いことに、ラグビーもサッカーも、ルーツは同じで「フットボール」だそうです。昔のフットボールは地域のお祭りの一種で、人数もルールも曖昧でした。それこそ「1丁目から3丁目は赤チーム、4丁目から6丁目は青チーム」というようなチーム分けだったし、手も足も使っていて、地域によってルールが少しずつ違いました。とにかくボールを奪い合って遊んでいたわけです。しかし、学校で競技として行うようになり、別地域との交流も始まると、ルールを統一する必要がでてきます。
その時に「今は何でもアリで危なすぎるよ。手でボールを触るのは禁止にしよう。コートのどこにボールがあるのか常に可視化できるスポーツにしよう」と言い出した人達が、後のサッカーに繋がります。「手も足も使えるから面白いんじゃん。
ボール争奪戦でボールが見えなくなるのは当然じゃん。それらを禁止したらつまらない。禁止せずに、負傷者が出ないように規則と心を整えようよ」と言い出した人達が、後のラグビーに繋がります。どちらの言い分ももっともで、どちらも人類の宝ともいえるスポーツに成長したので、当時の分岐に感謝したいな、と思います。
ただ、私の個人的な趣向としては、ラグビーの「危険なことを危険でないように行う」点に「カッコいい〜」とキュンキュンします。どんなスポーツも冷静と情熱が同時に必要ですが、ラグビーは特にそれを強く感じます。
決勝まであと1ヶ月、まだまだときめきは続きます♡

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2023年7月Vol.124 サクッと小噺 2023年09月07日

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いつもお世話になっております。
おかげさまで、先日、第二子を出産しました。「夜もなかなか眠れないでしょう」とか「まだ一日一日が辛抱の時期だから無理しないで」など優しい言葉をかけていただくことが多く、それはその通りなのですが、何を隠そう、実は私は出産が好きです。
好きなのは出産だけで、妊娠期間も産後しばらくの期間も好きではありません。
もちろん妊娠も産後も
ありがたいしおめでたいし、支えてくれる方々に感謝してもしきれないのは大前提です。ただ個人的に、妊娠や産後が好きかと問われると、その期間は身体的苦痛が精神的幸福を上回る、というのが実感です(逆の人も沢山います)。ただ、出産だけは好きです。
心拍がバクバク上がって、
血流がギュルギュル速くなって、骨盤がバリバリ開いて、下半身の関節がメリメリ割れて、胎児がグルングルン旋回しながら降りてくるあの感覚・・・!痛いです。痛いですが、怪我や病気や手術の痛みとは違う痛みでした。自分の体が変態していく感じです。

昆虫の変態はちょっとイメージが近いです。幼虫やサナギの背中が割れて、中から成虫が出てくる様子をTVなどでご覧になったことはありませんか? アレです。

もっと正確に言えば、エヴァンゲリオンが暴走モードに入った時に、肩を突き破って新たな腕が生えてきたり、エヴァンゲリオンがビーストモードに入った時に、背中を突き破って角が生えたりする瞬間、それが私の実感に最も近いです。本人にも制御できない爆発的な力が起こって、体を突き破って何かが出てくる・・・。
出産中「いま私の下半身がエヴァンゲリオン!!!」と思いました。

すみません、もう少しオタクトークが続きます。私がエヴァンゲリオンなら、助産師さんはミサトに見えてくるし、ドクターはゲンドウに見えてきます(2人ともエヴァンゲリオン組織の幹部)。
エヴァンゲリオン始動時の聴き慣れた音楽まで聞こえてくるようです。

出産は死ぬほど痛いとよく聞くし、痛かったが赤ちゃんを見たら吹っ飛んだという感想も聞きますが、私のような感想はあまり無いようです。
出産経験のあるオタク友達に「下半身がエヴァンゲリオンみたいじゃない?」と聞いたら「あんたバカじゃない?」と返されました。でも、私が特殊な体という訳でもありませんから、きっとどこかに「言われてみればそうかも」という方もいるでしょう。
「痛みよりも、赤ちゃん誕生の喜びよりも、自分の体の変態が愉快だった」というママが。

ここまで面白おかしく書きましたが、出産は母子ともに命がけです。日本は妊産婦死亡率が低いとはいえ0ではありません。
普通分娩でも無痛分娩でも帝王切開でも何でもいいから、どうか母子ともに健康でありますように。
全国のママとベビーにエールを送ります。

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2023年6月Vol.123 サクッと小噺 2023年08月16日

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こんにちは、サクです。愛知県を訪れた経験はありますか?
私はもともと埼玉県出身で、P.D.R.で働くため単身で愛知に来て、あっという間に12年経ちました。私の親戚は関東と東北に多くて、夫の親戚は九州に多いので、12年住んでも「愛知は故郷」という感じはしませんが、12年も住めば「愛知は自分の家」という感じはしてきます。
愛知に来た当初は驚いた文化のいろんな事にもすっかり慣れました。その中で最初から今まで一貫して大好きなのは、
喫茶店カルチャーです。

総務省の統計によると、愛知は人口あたりの喫茶店の数も多いし、各家庭の喫茶代への支出額も多いそうです。実際に住んでみた体感としても「そりゃそうだろう」と思います。そこら中に喫茶店がいっぱいあるし、ローカルマガジンは喫茶店情報が充実しているし、喫茶店には朝昼晩と一日中お客様が入っています。

朝昼晩と楽しい喫茶店ですが、その中でもモーニングセットは全国的に有名ですよね。
コーヒーを頼めば無料でトーストとゆで卵がついてきます。お店によっては、ヨーグルトやフルーツがついてくるところもありますし、追加料金でベーコンエッグやフランクフルトがついてくるところもあります。「ここのお店のモーニングは何がつくのかな?」とメニューにもワクワクしますが、私が一番感動したのは朝の客層です。
朝の喫茶店って、1人で行くイメージがありませんか?
(私はありました)
しかし愛知では、子連れのファミリーや、女子会らしき華やかな女性陣や、若くて元気な青年達や、
学生や社会人やリタイア世代までの年齢幅広いカップルなど・・・
実にいろんな人達が、誰かと話しながら朝食をとっています。
もちろん1人のお客様もいて、それはそれで自然に溶け込んでいます。

「家族の外食が朝食」とか、「友人や恋人と朝食で待ち合わせ」って、とても良い文化だなぁと思うんです。自然と朝食前に
パジャマから服に着替えることになるし、朝食前に朝日を浴びることになるし、昼食や夕食に予定を入れるより一日の融通がきくし、昼食や夕食を外で食べるより安上がりです。

馴染みの喫茶店は落ち着くし、新しくステキな喫茶店を開拓できると嬉しいです。
もし愛知に来ることがあれば、ぜひモーニングを試してみてください♪

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2023年5月Vol.122 サクッと小噺 2023年07月14日

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こんにちは、サクです。白湯が流行っていますね(何も入れず、水を沸騰させた後、適度に冷ましたもの)。最近メディアでもよく話題に上がっています。私の好きなラジオ番組で、男性芸人3人が話す番組があるのですが、そこでも白湯について盛り上がっていました。

男芸人1:白湯飲むヤツなんて「モデル気取りか!」って昔はツッコんでたけど、体に
    良いらしいねぇ。
朝飲むと内臓が目覚める。肌にも良いらしい。
    まだ始めて1週間だけど。

男芸人2:俺はコーヒーをたくさん飲むから、なんとなくコーヒー前に白湯で体を
    起こすというか潤すというか・・・。
白湯を飲み始めて1年くらいかな。
男芸人3:全然わからん!ヌルいお湯でしょ?美味いわけない。

この会話を聞いたリスナーから反響があり、「ぜひ鉄瓶で作ってみてください。甘くまろやかな味になります。鉄分も取れます。」とメールが来ました。その翌週には、3人のうち1番先輩が、3人分の南部鉄器の鉄瓶を購入して、「これで白湯を飲もう」という流れになっていました。羨ましすぎる。

私サクの白湯歴は、なんと25年に及びます。小学生の頃から、寝起きはまず1杯の白湯。日常生活はもちろん、合宿でも旅行でも出張でも、とにかく起きたら白湯。まず白湯を飲まないと、なにも喉を通らないし、声もあまり出ません。
私は父方の遺伝で血圧が低くて、上は80/下は40しかないので(ちなみに父は、上は70/下は30)、目覚めがとても悪いのです。
低血圧の症状には、目眩・立ちくらみ・頭痛・疲労感などが挙げられますが、朝はそれが顕著に出ます。
小学生ながら「こりゃ困ったな」と思った私は、少しでもラクになりそうな方法をいろいろと試しました。その中で最も効果があり、かつ続けやすかったのが、起き抜けの白湯です。毎朝自分で湯を沸かして、冷まして、白湯を飲む10才。母からは「渋すぎる」とよく笑われました。
私にとって「目覚めの白湯」は毎日の必須事項で、あまりにも生活に溶け込んでいたので、健康や美容という視点はありませんでした。白湯が健康や美容にも良かったなんて、目から鱗です。そして、南部鉄器がとても欲しくなりました。
ラジオの翌日、私は夫に「南部鉄器の鉄瓶を買う」と宣言しました。
「安い買い物ではない。南部鉄器を買った芸人と私の年収差は10倍以上だろう。しかし私の白湯歴は25年もあり、南部鉄器を買う資格としては十分だ」と。
夫は答えます。「サクに南部鉄器を買う資格はあると思うけど、南部鉄器を使う時間が無いでしょう。朝も夜も育児で慌ただしくて、僕の帰宅時には”地震きたの?!”みたいな部屋の惨状じゃん。僕も家事するけど、職場が遠い分、子供と直接関わる育児はサクの負担が大きい。南部鉄器は電子ケトルに比べると、沸騰までにかかる時間がだいぶ長いよ。キミが白湯を飲むのは朝でしょう。朝そんな余裕はないでしょう。」

うっ・・・。言葉が詰まった私に、夫は「鉄玉子を買ってあげましょう」と微笑み、
すぐ買ってくれました。
鉄玉子とは、南部鉄器を玉子型に成型したもので、鍋やヤカンに入れてお湯を沸かすだけで鉄分が
お湯の中に溶出し、鉄分を補給できるという画期的な商品です。南部鉄器の鉄瓶は2〜3万円ですが、鉄玉子は1000円で済みます。その日から毎朝、私は電子ケトルに鉄玉子を入れて白湯を作っています。鉄分は摂れますが、甘くまろやかな味になった感じはしないし、情緒もありません。私は「育児がもう少し落ち着いたら南部鉄器を買おう。小学生くらいかしら」と未来の楽しみにする事にしました。

しかし先日、義姉(夫の姉)から「モデルの冨永愛が白湯飲んでるっていうからさ、南部鉄器の鉄瓶を買っちゃった」と連絡がきました。義姉は白湯愛飲者ではありません。流行ってるから、冨永愛が飲んでるから、ちょっとやってみようかなという程度です。
そんな義姉でさえ南部鉄器の鉄瓶を・・・。欲しい!やっぱり私も欲しい!!平日は鉄玉子の白湯、週末は南部鉄器の白湯、と使い分ければ良いではないですか。南部鉄器への憧れが沸々と沸き上がる今日この頃です。白湯だけに(笑)。

 

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