バレンタイン事情

こんにちは。本日は紙コップ担当の趙航がお送りします。

 

少し時期が遅れましたが、バレンタインの話をしたいと思います。

 

私が初めてバレンタインチョコを男性に渡したのは、大学1年生のときでした。
私は高校卒業まで中国で過ごしたのですが、中国のバレンタインには「義理チョコ」がなく、恋人や夫婦が祝う日なので、当時彼氏がいなかった私には無縁のイベントでした。

 

日本の大学に入って、初めて彼氏ができました。その時の彼は私より年上、英語がペラペラでスポーツも得意、大学でサークルを設立するほど行動力があり、たくさんの友達がいて、とにかくキラキラした人でした。一方私は、日本に来たばかり、大学に入ったばかり、毎日ジーパンをはいて眼鏡をかけて寮→教室→学食→図書館の4ヶ所にしか行かないという生活でしたので、彼と付き合い始めてから自分の世界がとても広がりました。

 

そんな、とても尊敬していた、とても好きだった彼。バレンタインを印象に残る特別なものにしたくて、私は初めて手作りチョコに挑戦しました。
何度も失敗し、何時間も苦戦しました。途中で材料が足りなくなり、2回追加で買い出しに行きました。キッチンの壁にはなぜかチョコの点々がいっぱい付いて、手首にやけどもした結果、ようやく満足のいくチョコができました。(とはいってもチョコを溶かして、ハート状に固めただけなんです。)「ハッピーバレンタイン❤」の文字をチョコペンで書き、彼氏の授業が終わる前にそっと寮のドアにかけました。
彼がチョコを見つけた時の表情を想像してドキドキしていたら、彼からの電話!なんと最初の一言は「チョコ溶けてたぞ」。
「この飾りのアルファベットはさ、eなの?7なの?…あ!分かった、tだね、バレンタインのtだ!」と彼氏は半分笑いでごまかそうとしていましたが、最後にはちゃんと「ありがとう」と言ってくれました。
とはいえ、あんなに気合いを入れて準備したチョコが溶けていたなんて、恥ずかしくて悲しくて・・・。彼に特別な思い出を残したいという熱い気持ちに氷水を刺されたようでした。

 

甘い思い出も苦い思い出もたくさんありましたが、彼と過ごしたバレンタインはそれっきりでした。(私が作ったチョコがまずかったからではなく、ちゃんと別の理由です。)その後は違う人とバレンタインを過ごすようになりましたが、チョコの手作りはもうしません。恥ずかしさや悲しい思いを恐れるからではなく、好きな人のためとはいえ、苦手なことをするほどの気合がもう出ないからです。または、苦手なことをするより、得意なことをした方が良い結果が得られると分かったからかもしれません。頑張って苦手なことをすると、結果がそれほどでなくても頑張りの分だけよけいに褒められたくなりますが、それが相手にとってはむしろ気の毒なことだと思うようになったからかもしれません。

 

これって、すこし大人になった証拠でしょうか・・・?