サイくん

こんにちは。本日は紙コップ新担当の趙航(ちょうこう)がお送りします。

私がサイくんに初めて会ったのは4歳の時、砂山の上でした。
私の父は大学に勤めていて、私が小さいときはキャンパスすぐ近くの社宅に住んでいたので、夕食後にはよく友達とキャンパス内を走り回っていました。

ある日、子供5、6人が一緒に登れるほど大きな砂山がキャンパスの空き地に出来ました。新しい体育館を建てるためだそうです。これは遊ばなきゃもったいない!と私は友達を集め、ペットボトルとちりとりを持って、砂山を別の場所に移動させるという壮大なプロジェクトに挑むことにしました。砂山に夢中になっていると、一人の男の子がやって来ました――
「こんにちは。僕サイです。僕も一緒に遊びたいな。」
「いいよ!そしたら今道具が足りないから、何か砂を運べるものを持って来て。」
しばらくして、サイくんは洗面器を2つ持って登場。その後皆と砂山で遊びました。

 

翌日、父が大学の学長と会った時、学長に言われました。
「昨日航ちゃんに洗面器を持ってこいと言われたみたいで、サイに洗面器を渡したんだけど、返ってきたら泥まみれだったよ~。」
おっとっと、サイくんは学長のお孫さんだったんですね。それはそれは~~

 

その後サイくんとよく遊ぶようになりました。サイくんの両親は仕事でアメリカに行ったばかりだったので、しばらくはおじいちゃんと一緒に暮らすようでした。ある日、行きたくもない絵画教室に無理やり行かされた私は、サイくんに愚痴を言いました。サイくんは「家出をしよう!」と言い出しました。なるほど!「オズの魔法使い」みたいに旅路で素晴らしい友達と会えるかも!と私たちは小さな心をドキドキさせて、二人で金曜日の幼稚園放課後に家出することを決めました
その翌日の夜、サイくんがおじいちゃんに連れられ、「ご迷惑をかけてすみません」と私の両親に謝りに来ました。サイくんがあまりにもわくわくして、なんと家出のことをすべておじいちゃんにしゃべってしまったらしいです。
素直なサイくん…

 

そんなサイくんが今年の5月に結婚しました。色白で小柄だったサイくんは高校生の時に背が一気に伸び、アメリカでラグビーをやっていたそうです。でも瞳の中のやさしさは昔と一緒。サイくんが幸せになりますように!