サクのサクッと小噺
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2014年9月号Vol.27 2014年11月11日

こんにちは、サクライです。先日、恋人(かずや)を連れて埼玉の実家に帰りました。結婚の挨拶なんてマジメな用事ではなく、ただ遊びに行っただけです。初対面ですが父も母も気楽に迎えてくれました。しかし母は相変わらず…彼女の思考回路はどこか壊れています。

 

私達が到着するなり、母は「かずくん、見てみて」と自分の海外旅行のアルバムを開きます。どーしてアンタの写真なんだ?!ここは私が子どもの頃の写真―七五三とか卒業式とか―を見せて、

 

>彼「可愛いですね 」
 >母「可愛かったのよ 」
 >私「もぉ~、やめてよ恥ずかしいからっ!」

 

なんて会話をすべき場面ではないでしょうか。
アンタの写真を見せてどうする。
(—————————————————以上、理想。以下、現実)

 

 >彼(母の写真を見せられて)「綺麗ですね」
 >母「うん、この写真は遺影にするつもりなの」
 >彼「・・・」

 

お母さん、初対面なのにパンチが効きすぎだぞ。

 

写真を一通り見せ終わった母は満足したらしく、彼に質問を始めました。

 >母「かずくんの故郷はどこなの?」
 >彼「親父が転勤族だったんで故郷ってピンと来ないですね。今は、親は熊本に住んでますが・・・」
 >母「あら、熊本城に?!」
 >彼「!?  ・・・い、いや、スミマセン、普通の家です。なんかスミマセン・・・」

彼氏よ、謝らなくていいぞ。

 

さて、夕飯には父がカレーを作ってくれました。父と彼と私がテーブルについてカレーを食べている間、母は床に座り込んで本を読みながらカレーを食べています(まるで行儀の悪い子どもです)。テーブルの上には3人分のスイカもあったのですが、いつの間にか母は私の分を盗んで、気づいた時には床に胡坐をかいて背中を丸めて、シャカシャカ音をたてて食べていました(まるで行儀の悪い猿です)。

 

カレーとスイカでお腹がふくれた母は、いつも通り居間のソファーでぐぅぐぅ眠り始めます。父に「風呂に入れ」と怒られても、私に「歯を磨け」と怒られても、どこ吹く風。

 

 >私「お母さん、彼は居間に布団しいて寝るんだから、どいてよ」
 >母「うぅ~ん、わたし気にしないから大丈夫」

彼が気にするよ!!!

 

初対面のお客様の前でこの言動。年頃の娘の彼氏の前でこの言動。この人はスゴイです。
彼は「キミも将来はああなるのかな」と言いますが、ここまでひどくはならないと思います…。

 

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2014年8月号Vol.26 2014年09月27日

こんにちは、サクッと小噺のサクライです。突然ですが思春期突入時代を思い出してみてください―…
アナタも中二病(ちゅうにびょう)にかかりましたか?

 

中二病とは、中学二年生頃にありがちな自己愛に満ちた嗜好や非現実的な空想を揶揄した言葉だそうです。
たとえば…洋楽を聴き始める、コーヒーを飲み始める、本当の親友を探し始める、自分は他とは違う、大人は分かってくれない、なんか腹立つ、なんか憂鬱、などなど……うーん、10代前半で通るべき健全な変化のように思います。
私にももちろんありました。その中で「あれは滑稽だったな」と思うのは(ぜんぶ滑稽なのですが、特にバカバカしいという意味で)、喀血する男性への強烈な憧れです。

 

私は本が好きでした。これは中二病にかかる前からの嗜好で…いつから本好きなのかは覚えていないのですが、妹の1才の誕生日に貯金箱を割って本をプレゼントした事は覚えています。当時の私は4才。既にその時には本が好きだったのでしょう。さて、中学に入ってから、本だけでなく本を書いた人達に焦がれるようになります。そして「あぁ、インテリは自殺するか血を吐いて生涯を終えるものなんだ。少なくとも神経衰弱くらいはかからなくちゃダメだ」と、とんでもない勘違いをするんです(芥川龍之介、森鴎外、夏目漱石など)。自殺、喀血、神経衰弱…
この中で、私は喀血を一番美しいと思いました。だって情景が綺麗なんです。

 

情景1.縁側に面した畳の六畳部屋。そこで本を読む一人の青年。
    眉間にしわを寄せて真剣にページをめくっていたが、突如苦しそうに顔を歪め、口を手で覆い、ゴフッ…!読みかけの本に飛び散る赤い血。一瞬で日常が非日常に姿を変える。
    慣れ親しんだ世界が遠のいて行く中で、散った血だけがリアルさを増していく…。

 

情景2.喀血した彼はサナトリウムに入ります(長期的な療養を必要とする人の療養所。かつては結核治療がメイン)。
    都心から離れた森林にポツンとたたずむ白い建物。その一室で、やせ細った彼は本を読んでいます。無機質な白い壁と白いベッド、窓の外には瑞々しい青葉―まるで死と生の対比のような部屋。そこに白いワンピースを着た私がお見舞いに来て(いつの間にか彼女として登場)、彼は青白い顔をあげて微かに微笑む。静かに見つめ合う二人。彼は何か言おうと口を開くが、そこで急に胸を押さえ、ゴフッ…! あぁ喀血量が増えている。白い布団に咲いた真っ赤な花は、死が生を制する未来の暗示―…。

 

バカバカしい。本当にバカバカしい。でも、これが私の憧れでした。
今にも死にそうな恋人がほしい。電車を乗り継いでサナトリウムにお見舞いに行きたい。

 

この中二病の後遺症だと思うのですが、27才になった今でも、細くて青白くて生命力の弱そうな男性を見るとキュンとします。「ステキ、今にも死にそう!」と心の中で絶賛してしまいます。

 

…でもねぇ、現実の病気はロマンチックじゃないんですよね。数年前、私の父は血こそ吐きませんでしたが命に関わる病気を患いました(今は回復してますが、全快ではありません)。彼も大変だったし家族も大変でした。
そこで私は「今にも死にそうなステキな男性より、ステキじゃなくてもいいから丈夫な男性の方がいいな」と認識を改めたんです。

 

―と、頭では分かっていても、ときめく胸を抑える事まではできません。
薄命そうな男性にドキドキ という嗜好は未だ残っています…。

 

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2014年7月号Vol.25 2014年07月30日

こんにちは、サクッと小噺のサクライです。夏まっ盛り、カゲキな格好の女の子も多いですね!
アナタは胸と脚どっちが好きですか?

 

私は大学の4年間をカナダで過ごしたのですが、最初の頃は目のやり場に困りました。カナダの女性服って胸の切り込みが深いんです。老いも若きも谷間全開。まさか乳首までは見えませんが、胸の1/3~1/2は露出されています。
ビキニ水着の胸の露出度を思い出していただければ近いです。学校の先生だろうが、子持ちの主婦だろうが、敬虔なクリスチャンだろうが、胸元パッカリです。

 

例えば保育園。園児と戯れている保育士さんの胸元もパッカリ。日本なら親御さんに怒られそう…。
例えば大学。著名な女性教授の胸元もパッカリ。最初の頃は授業に集中できませんでした…。
例えば病院。白衣の下のシャツ、女医さんの胸元もパッカリ。だ、男性の患者さんは元気になるかもしれない・・・。

 

こんなに胸の気前が良ければ、男性は女性の胸に興奮しないのだろうか?という疑問は誰もが抱くのではないでしょうか。現地の男子学生に聞いたところ、「毎日見てるからありがたみは薄いけど、ムフフと思わないわけではない。
触りてぇ~って欲求はあるよ」という事でした。

 

さてそんなカナダ男子が日本に1年間留学しました。彼が帰って来た時に「どうだった?」と聞くと、第一声が「Japanese girlsは胸の代わりに脚を披露してくれるんだな!」でした。
彼はミニスカートやホットパンツについて熱く語ります。「娼婦でもないフツーの女の子が、脚の付け根ギリギリから爪先まで生脚なんだぜ!!日本はいい国だ。」おいおい、日本でいったい何を学んできたんだ…。

 

しかし、言われるまで気づかなかったけど、彼の感想には一理あります。たしかに日本女子は胸は隠しがちで、脚は気前よく披露してくれる子が多いです(カナダの胸露出と違って、日本の脚露出は若い女性に限られていますが…)。逆に、カナダでは
胸は出しますが脚は隠しています。また、フランスに留学していた同僚曰く「フランスでもみんな胸を出していて、私が脚を出すとビックリされた」、韓国に留学していた同僚曰く「韓国では脚はよく出すけど胸は絶対に隠す」、中国に留学していた同僚曰く「脚露出も胸露出も、日本と中国は同じくらい」という事なので、欧米文化は胸、東アジア文化は脚、なのかもしれません。うーん、この差はどこから来るのだ?

 

強いて言えば、欧米女性は胸が大きい人が多くて、アジア女性は脚が細い人が多いからかもしれません。自信のある部位は見せたいでしょうし、その欲求に合わせてファッションが成形されていったのかもしれません。
―そんな訳で、カナダで脚を出すと周囲の反響が大きかったのですが、もっとすごかったのはニーハイです(太腿までの長い靴下)。ニーハイの脚はとてもエロく見えるらしく、男友達の賛美はもちろん、知らない男子からもたくさん話しかけられました。いつもの彼らなら私の事なんて歯牙にもかけないのに、恐るべしニーハイの威力。モテ慣れてない私はすっかりビビってしまって、その日以来、ニーハイをクローゼットの奥深くにしまい込みました。日本に帰ってきて、ニーハイの女の子がたくさんいるのを見ると、今でも不思議な気持ちになります…。

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2014年6月号Vol.24 2014年06月30日

こんにちは、サクライです。このまえ食中毒にかかりました。食中毒の症状は有名ですから、改めてここで述べる必要はないでしょう。食中毒にかかったら辛いのも汚いのも皆おなじ。ちゃんと快復したのだから御の字です。

 

ただ、つくづく悲しかったのは部屋の惨状。一人暮らしってツライなぁと泣けてきました。誰もご飯なんて作ってくれません。布団から手を伸ばして届く範囲に、アクエリアスのボトルやウィダーインゼリーが、中身がある物ない物とりまぜて散乱しています。

 

だらだら汗をかいても、なかなかパジャマを取り変える気力はわきません。汗かいて、冷えて、乾いて、また汗かいて…の繰り返しです。私はどんどん臭くなっていきます。自分の臭いに耐えきれなくなってついにパジャマを着替えても、脱いだものを洗濯する力はありません。袖や裾がベロンと裏返しになったまま床に放置されているパジャマや下着には何ともやりきれない哀愁が漂います。

 

さて、伏せっている間はずっと本を読んでいました。本は寝床でもトイレでも読めるので(しょっちゅう中断を余儀なくされるとはいえ)食中毒の間は重宝します。更にラッキーな事に、食中毒にかかる2日前、私はいろんな作家さんのいろんなジャンルの本を購入していました(太宰治の随筆、村上春樹の小説、北尾トロのルポタージュ、他多数)。これなら読み続けても飽きない!二日前の自分よ、ファインプレーだ!!こういう事は嬉しいですね。日頃の行いが良いからですかね。日頃の行いがもっと良ければ、食中毒にもかからなかったかもしれません。

 

その本の中に、江國香織さんの「冷静と情熱のあいだ」がありました。
ご存知、15年ほど前に大ヒットした恋愛小説です。コレがもう腹が立って腹が立って。本の中の人物に腹が立ったのは久しぶりです。

 

主人公はミラノに住む日本人女性あおい。マーヴという実業家に見初められ、彼の高級マンションで同棲しています。マーヴに「僕のテゾーロ(宝物)」と呼ばれてめちゃめちゃ大切にされていますが、彼女は大学時代の恋人が忘れられません。「元彼以外、私は誰にも心を開けない…。」
美しい街ミラノで、高級住宅に住み、美味しい物を食べて、恋人が買ってくれた肌触りの良いルームウェアを着て、その下には香水を振りかけた下着を身につけて、毎日ボーッと風呂に入って、それでも憂いを振りまくあおい。おい、ふざけるな。

 

こちとら風呂にも入れず、固形物が食べられず、臭いパジャマと下着を着て、六畳の和室で一人で寝てるんだ。
美しく健康で裕福なあおいよ、お前は何が不満なんだ?下着に香水って何だよ?笑っちゃうよ。 
彼女と私の落差に思わず笑い出してしまいました。暗くて臭くて菌が蔓延している六畳部屋で一人で爆笑している自分がおかしくて、更に笑いに拍車がかかり、最後は涙まで流していました。いま思うとコワイ…。

 

言うまでもない事ですが、この小説が悪いわけではありません。名作だから大ヒットしたのでしょう。ただ、食中毒の私には受け入れられなかっただけです。普段は江國香織さんの小説は好きです。

 

今後しばらく食中毒リスクが高い時期が続きます。皆様もどうぞお気を付けください。
「下着に香水を振りかけてみようかなぁ」と思いつつ、未だできていないサクライでした。

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2014年5月号Vol.23 2014年05月30日

こんにちは、サクライです。最近ちょっとギモンなのですが、“子育てが終わった母”という人達は総じて変なのでしょうか。うちの母が特別変なのでしょうか。もう変すぎてつっこむ事もできないんです…。

私の母は48才にして子育てが完全に終わりました。私も妹も実家を出たので、もう経済的にも家事的にもいっさいの面倒はかかりません。それをきっかけに、(もともと変な人だったのですが)母のタガが外れてしまいました。
ひどい点を挙げればキリがないのですが、紙面の都合でお菓子ネタだけ…。

 

このまえ実家に帰った時の事です。夕飯時、母が「ビュッフェに行こう!野菜いっぱいの健康ビュッフェがあるんだよ♪」とテンション高く提案してくれました。そこで父・母と私の三人で車で出発したのですが、後部座席の母は一人で煎餅の袋を抱えて、ずっとバリバリ食べ続けているんです。・・・お母さん、今まさにビュッフェに向かっているのに、なぜ煎餅を食べる??せっかく健康ご飯を食べても、直前にお菓子を食べちゃったらイミないんじゃ・・・。

 

さて翌日。母は仕事と趣味で一日中出歩いていて、父と私はガーデニングをして呑気な一日を過ごしていました。
夜は父と私とで餃子を作ったのですが、ちょうど食べ終わった頃に母が帰ってきました。

母  「お腹すいたー!」
私 「餃子あるよ」
母 「えぇっ、ズルイ!!」
父 「だからアンタの分もあるって」

 

父はさっそく台所に立ち、母の分の餃子を焼き始めます。母は「早くしてよー、お腹すいたよー」と言いながらクッキーを食べ始めました。だから、なんでアナタは食事の前にお菓子を食べるの?目の前でアナタの餃子を焼いてくれている旦那さまに失礼ではないかね。

 

さてまた翌日。父は会社の食事会があったので、母と私は居酒屋で夕飯を済ませました。それから温泉に行く事にしたのですが「いったん家に帰って歯磨きをしてから行けば、温泉から帰ってきてソッコー寝れる」と母が名案を出します。
私達はわざわざいったん家に帰り、歯磨きをして、パジャマも持参して、準備バッチリで温泉に行きました。温泉で身も心もふにゃふにゃになってすっかり眠くなった私達は「行く前に歯磨きをしたのは正解だ」「このままベッドに直行できるなんて最高だ」と言い合いながら帰ってきました。

 

さて家に着くなり、母はおもむろにポテトチップスの袋を破ると、バリバリバリッと三口ほど頬張ったんです。
えぇ―――っ?!なんで?なんでっ?!今さっき「歯磨きして行ってよかったね」とあんなに言っていたのに!
ポテチを三口食べた母は、開けっぱなしのポテチの袋を抱えたまま、上着も脱がず(上着の下はパジャマ)、ごろんとリビングに横になってぐーぐー眠り込んでしまいました。この間わずか1分。
この時の私の驚きといったら! 母の予想外すぎる行動になすすべもなく、ただ茫然と眺める事しかできませんでした。・・・さ、さっきまでの会話は何だったんだ。

 

帰って来た父に「お母さんが不思議すぎる」と相談すると、「俺はアレと二人で暮らしているんだぞ」と暗い顔で返されました。彼女に慣れた父曰く、「人間ではなく、動物だと思って接した方が良い」そうです…。もっとも母にも言い分はあって、「コレが私の真の姿だ!今までは母親役として抑圧されていたから好き勝手にお菓子が食べられなかっただけだ!」そうですが…抑圧がなくなっても、お菓子は好き勝手に食べない方が良いように思います。

 

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この文章はP.D.R.社員ブログにも掲載されました。
いろんな社員が順番に書いているのでよかったらのぞきに来てくださいね! 
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2014年4月号Vol.22 2014年04月30日

こんにちは、サクっと小噺のサクライです。いきなりですが問題です。ジャジャン!!

きっと皆さん分かりますよね。2月14日はバレンタインデー、女性が愛しい男性にチョコレートを贈る日です。
3月14日はホワイトデー、チョコを貰えた幸運な男性が女性にお返しをする日です。

では少し難易度を上げまして・・・

 

うーん、正答率は半々くらいですかねぇ。4月14日はブラックデー、バレンタインデーにもホワイトデーにも縁のなかった人達が黒いジャージャー麺を食べる日だそうです。暗い気持ちを黒で表しているのでしょう。韓国の風習です。
日本にもあったらいいのにね、黒豆を食べるとか(笑)。

 

最後です。これに答えられたらアナタは恋愛の達人?!

恋愛はうまくいかない事の方が多いです。せめてキレイに別れたいですね。そう、別れを切り出すのに最適な日が5月13日といわれているのです!バレンタインデーから88日目を”八十八夜の別れ霜”にかけて、別れ話に最適な日を5月13日と定めたそうです(八十八夜:立春を第一日目として八十八夜を指すので、正しくは5月1~3日頃に当たります。
八十八夜の別れ霜:この頃に降りる霜で、この冬さいごの霜と言われます)。

 

以降は霜が降りないから・・・優しいですね。もう寒さが戻らないから、という事ですよね。私の過去の恋人達よ、ちょっとはフル日を考えてくれ!私は過去に2回フラれているのですが、どっちも12月でした。寒いんだよ!!
寒いってだけで気持ちは落ち込みます。ましてや12月なんて、まさにこれから冬本番ではないですか。どんどん寒さが厳しくなる時期に突き放すなんてヒドイじゃないですか。クリスマスに胸痛むじゃないですか。こんな気持ちで年を越したら辛い1年だった気がするじゃないですか。こんな気持ちで新年を迎えたら縁起が悪いじゃないですか。フラれるのは仕方ないけど、12月はヒドいよ・・・。

 

個人的には、これから梅雨がやってくる5月半ばよりも、春が始まる3月くらいにフラれる方がいいなぁ・・・とも思いますが、まぁそれはそれとして。なんにせよ12月よりはマシです。

そろそろ清算したい関係をお持ちの方は、5月13日を良いきっかけにしてはいかがでしょうか(笑)。

 

でも、それを乗り越えたら、6月12日には「恋人の日」が待っていますよ★

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2014年3月号Vol.21 2014年03月30日

春眠不覺曉 (読み:春眠(しゅんみん)暁を覚えず) (意味:春はよく眠っちゃうから、夜明けに気づかない)
處處聞啼鳥 (読み:処処(しょしょ)啼鳥(ていちょう)を聞く) (意味:目覚めてみると、鳥の声が聞こえる)
夜来風雨聲 (読み:夜来(やらい)風雨の声) (意味:そういえば、昨夜は風の音が強かった) 
花落知多少 (読み:花落つること知んぬ多少ぞ) (意味:せっかくの花がどれほど落ちたかしら)  
                                       孟浩然

 

 

こんにちは、サクライです。上の漢詩をご存知の方は多いのではないでしょうか? 中学校の国語の時間、私が最初に触れた漢詩です。想像してください―…春の朝、布団の中でまどろんでいます。あぁ鳥が鳴いているから、いい天気だろうなぁ。
そういえば昨夜は風が強かったから、花が落ちているだろうなぁ。布団の中で目をつぶったまま、外の景色を想う。そうやって外に想いを馳せつつも、なかなか布団から出られない。そんな春の朝です。

 

さて、先日ラジオで知ったのですが、春は血圧が下がるそうです。気温の上昇に伴い、閉じていた毛穴や血管が開き、その反動で血圧が下がるとか。低血圧は朝が苦手ですから、「春眠不覺曉」は医学的に説明できるって事ですね。そう考えると、
情緒もへったくれもないけど…。

 

私サクライはヒドイ低血圧です。健康診断を受けたら、上が80~下が40でした。ドクターには「毎日ダルイでしょ。辛いねぇ」と言われますが、ずっとこの体で生きているので比較のしようがありません。この体調が標準だと思っています。毎朝、
「死にそう…」と思いながら起きていますが、それが当たり前だと思っています。血圧が上がれば、人生が一回り明るくなるのでしょうか。

 

よく食べます。よく寝てます。よく運動してます。ストレスもありません。いったい何が悪いのでしょう?

 

血圧が低いということは、心臓のポンプが弱いということでしょうか? 心臓の筋肉はどうやって鍛えればよいのでしょう。
ジムのお兄さんに「胸じゃなくて心臓の筋肉を鍛えたいんです」と相談したら断わられてしまいました。「うちのジムでは対応してませんねぇ…」 筋肉のプロでも解決法がわからないなんて、状況は深刻です。

話は変わりますが、私はあまり緊張しません。人前で話す、目上の方に異議申し立てをする、ハッタリをかます、変な物を食べる、一人で未知の場所に行く…わりと平気です。度胸があるんだと思っていました。20才を越えてから恋にドキドキしません。好きな人と一緒にいてワクワクしたりホッとする事はありますが、トキメキ☆ドキドキはありません。
恋愛にトキメキよりも安らぎを求めるタイプなんだと思っていました。

 

でも健康診断で気づきました。私が緊張しないのは度胸があるからではありません。恋にドキドキしないのは安らぎを求めるタイプだからでもありません。心臓に、心拍数を上げるだけの筋力がないのです。
まだ26才なのに、こんな悲しいことがあるでしょうか。

低血圧を治す方法をご存知の方がいらっしゃいましたら、どうかご一報ください・・・。

 

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この小噺は、2012/6弊社の社員ブログに掲載された文章を直したものです。
P.D.R.のHPでは、私サクライ含め、数名の社員が順番にブログを書いています。
私が好きなのはコミュニケーションセンターの芳野の回です。仕事の息抜きに、ちょっとのぞきにきてくださいな♪
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2014年2月号Vol.20 2014年02月28日

こんにちは、サクライです。PDR新聞の2月号にも載りましたが、先日、旅先のタイで笛を売ってきました。
ある日の夕方、露店が並ぶ通りを散策していて、民族楽器(笛)を売っているお店に目が留まったんです。「買わなくてもいいからやってごらん」と売り子のオバサンに笛を渡されましたが、私が吹いても音が出ません。「違うわょー、こうょー」オバサンが教えてくれます。・・・あっ、ちょっと出た!少し面白くなってきたぞ。
私は腰を据えて練習を始めます(買ってもいないのに)。ぴっ・・・ぴ、ぴー。ぴぃいー!!

 

私がずっと吹いていたら観光客が足を止めて、「ハウマッチ?」と尋ねてきました。オ、オバサン、お客様だよ!価格交渉はプロにバトンタッチ・・・売れました。「ありがとう、アナタは看板娘ねぇ」 えへへ、褒められた♪
その後も度々こういう事が起こります。その間にオバサンの価格交渉を観察して、楽器ごとの最初の言い値と、落とし所の価格を覚えました。 ―よし、価格交渉、私もやってみましょう。

 

また観光客が足をとめます。笑顔でアイコンタクト、近づいてきたら軽く演奏、楽器を手渡して吹かせてあげます。
「いくら?」「450バーツ」「高いなぁ」「いくらなら買う?」「いくらにしてくれる?」・・・なんてやり取りを繰り返し、300バーツでお買い上げいただきました。やったぁ!  やがてオバサンは私に電卓を預けて、自分は本を読んだり他所に出かけたりし始めます。留守をしっかり守らなければ。

 

「何か吹いて」とリクエストしてくる人もいて、すごく緊張します。
さっきまで音が出たのに、全然出なくなったりします。
「音出ないじゃん」「いやっ、私が下手なだけで、ちゃんと出るんですよ!」―お客様を逃しました。オバサンごめん・・・。

 

私の写真を撮りたいと言う人もいます。いいけど・・・君が撮りたいのはタイの売り子でしょう。私は日本の旅行者だよ。
説明するのも面倒なので、そのままオッケーして写真を撮られます。

 

カタコトのタイ語で「もっと安くして」と言う人もいます。私タイ人じゃないし~なんて言ってガッカリさせたくないので、「タイ語で言われちゃ仕方ないなぁ」と笑って値下げします。

「キミはタイ人じゃないよね?」と聞いてくる人もいます。正直に日本人と答えます。「なんで日本人がここで笛売ってるの?」な、なりゆきで・・・。

 

結局、4時間お店にいました。手伝っていたのか邪魔していたのか分かりませんが、オバサンは「またおいで。毎晩ここにいるから」と言ってくれたので、そんなに迷惑ではなかったんだろうと思います。4時間吹きまくった笛は150バーツで購入しました。もう十分吹いたので正直それほど欲しくもなかったけど、楽しませていただいたので、そのお礼です。

 

とっても面白い夜でした。オバサン、旅行者、近くの露店商人達との触れ合いも楽しかったけど、なによりモノを売るという行為そのものが楽しかったです。私はその時バケーション真っ最中で仕事とは正反対の位置にいたわけですが、店番はどんな観光とも違う面白さがありました。

 

よし、私も楽しい歯ブラシ売りに戻ろーっと・・・と思って帰ってきました。
 

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2014年1月号Vol.19 2014年01月30日

こんにちは、サクライです。突然ですが、世の中にはいろんな人がいます。
ボケた人のことを『天然』と言いますが、どうして『天然』なんでしょう。調べてみると・・・「人口でないもの。自然と同義。転じて、生まれつき備わったもの」だそうです。なるほど。
芸人さんの計算されたボケや、女子が可愛く見せようとして演じるオトボケとは違うって事ですね。
さて、『天然』と言うと真っ先に浮かんでくる女性がいます。名前も知らない人ですが、私が人生26年間に出会った人の中で、最も天然な人です。今月は彼女の話をしましょう。

 

私が中学生の時の話です。とある北海道の旅館で、私は妹と温泉に入っていました。他に、若いお姉さんの2人連れと白人の方が1人いました。やがて外人さんは脱衣所に出て行ったのですが、しばらくして慌てて戻ってきます。“Would you come here for a moment ? I need your help !(ちょっと来てもらえますか?助けてください!)”どうも困っている様子。湯につかっていた私たち4人はゾロゾロと脱衣所に出ていきます。
そこで外人さんが必死に説明するには、彼女の下着や浴衣が一式ないとの事。脱衣所には、5人分の下着と浴衣が、それぞれ籠に入っています。呼び出された4人は、自分の籠を指さしながら所有権を主張します。
“It’s mine.”“It’s mine.”“It’s mine.”“コレ、ワタシノデェス!”・・・
最後にカタコトの日本語で話したのは私の妹です。

 

身元の分かっている4籠+もう1籠あります。これが外人さんのじゃないの?―違うの。
私たちは、その籠の中身を取り出しました。旅館の浴衣が1着と、過激な黒下着が上下揃いで1着。セクシーだ・・・。コレ、ダレノ?  下着を見つめて呆然とする5人。もちろん全裸。

 

さて、さも自分には関係ないかのようにドライヤーで髪を乾かしていたお姉さんが(既に浴衣を着こんでいる)、スーッと脇を通って出て行こうとしました。そこで外人さんがムンッと掴んで、“Yours?!”下着を目の前に突き出します。何を言われたのか分からなかったのか、お姉さんは首をかしげて無言。「アナタのですか?」私が日本語に訳します。「え?・・・あ、私の」

 

はぁ――――――?!マジすかっ?!下着まちがえたんですかっ??!!
肌に直接触れている下着って、とても自分に馴染んだものではないですか?まして女性の下着です。男性のトランクスとは違います。胸とお尻にピッタリくっついて、持ち主の体を覚えている生地です。他人のを着たら、絶対わかります。

 

特に恐縮もせず、お姉さんは淡々と帯をほどき、浴衣を脱いで、ブラとショーツを取って、外人さんに手渡していました。
外人さん顔にタテ線。
きっと思い出深い日本旅行になったでしょう・・・(苦笑)。

 

こぼれ話・・・。
その後、すっかり冷えてしまった体を温めるため、最初の4人は湯に戻りました。私と妹は「さぁ笑ってやろう」と思っていたのですが・・・お姉さんの2人連れは、湯に戻ったとたんに「でね、その時彼がね・・・」
えぇ―?!今の事件ちっとも話題にならないの?
かなりビックリ事件だったと思うんですけど・・・。
 

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2013年12月号Vol.18 2013年12月30日

2012年12月24日。昨年のクリスマスイヴ、私は引っ越しました。朝から晩まで、段ボールを畳んだり、家具の角に足の小指をぶつけて泣いたり、雪崩を起こす本の山に茫然としたりしていました。
一人作業はつまらないので一日中ラジオをつけていました。どの局もクリスマス・クリスマス・クリスマス。

 

昼のラジオ。胸キュンのクリスマスエピソードが投稿され、その思い出を彩るクリスマスソングが流れます。
「7年前のイヴ。彼がホテル最上階のディナー&スイートルームをこっそり予約していて、そこでプロポーズされたんです!思わず泣いちゃいました・・・。二人の子どもに恵まれ、今年は家族4人でクリスマスです」 「毎年クリスマスは彼は仕事。でも、25日の朝に彼からプレゼントが届くんです。サンタさんみたい~」「もう8年間、イヴの夜はうちに一人身の男女が集まってしこたま飲むのが恒例イベント。その中でカップルができる事もあってムカつく・・・と思ってたんだけど(笑)、そこで生まれたカップルが結婚することになりました!腹が立っていたのも忘れて、なんだか鼻が高いです」などなど。

 

「ヒューヒュー♪」「いいにゃあ~」「うひゃー」いちいちラジオに合いの手を入れる私。その時は楽しかったのですが、いま思い返すと、悲しい光景かもしれません(苦笑)。名古屋のショッピング街から公開生放送をしているらしく、パーソナリティが「皆さん紙袋を抱えていらっしゃいます。プレゼントを買いに来たんですかね~?あっ、そうそうと、頷いてくれる方もいらっしゃいます。」クリスマスにノロケ話ができる人&ショッピングに出かける人を対象にしたハッピー番組でした。
幸せのお裾わけをいただいているような気がしました。

 

さて夜のラジオ。番組が変わったのか、局を変えたのか覚えていないのですが・・・“幸せなイヴを過ごしている人”ではなく、“イブの夜に頑張っている人”に向けた番組が流れてきました。テーマは「励まされたMr. Childrenの曲」。浪人生から、「イヴの夜も勉強です。挫けそうになると、『終わりなき旅』で自分を奮い立たせています。♪高ければ高い壁の方が、のぼったとき気持ちいいもんな~♪のフレーズが大好きです。」イヴ直前に失恋した男性から、「先日彼女に振られました。今夜は他の男と過ごすそうです。プレゼントも買ってあったのに・・・。『Over』の♪愛しき人よさよなら~♪が聴きたいです。今夜は飲むだけ飲んで、来年は前を向きます。」 仕事中のタクシードライバーから「今夜は飲む人が多いので忙しいです。イヴの夜、
子どもが起きている時間に帰れた事がありません。『PADDLE』の♪良いことがあってこその笑顔じゃなくて、笑顔でいれば良いことあると思えたら、それが良いことの序章です~♪をお願いします」

 

「いいなぁ」としみじみ思いました。クリスマスというと「幸せ組」と「惨め組」に分けられるような、そんな煽りを感じていましたが・・・イヴの夜に戦っている人達にスポットを当てて、それを応援するような番組もある事にとっても嬉しくなりました。なんというか、こーゆーのは良い社会です。さてラジオ終盤、リスナーから感想が届きます。「最高のクリスマスです。ありがとう。」「僕が働いているからクリスマスを楽しめる人もいるんです。そう思ったら、クリスマス職務も悪くない。」

 

世の中は、思っていたよりも美しい―・・・。
昼の胸きゅんラジオと夜の応援ラジオから、そんな事を感じた一日でした。

 

今年も1年お世話になりましてありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
よいお年をお迎えください。
 

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