長久手町でひとりごと バックナンバーvol.20

こんにちは、PDR米澤です。

今回は弊社メルマガ(10年7月6日配信分)のワンコーナー「長久手町でひとりごと」バックナンバーを紹介させていただきます。

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 □コラム 長久手町でひとりごと

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 弊社では今月末までグローブのセールをしております。セールのチラシでは私がグローブ工場で働いてきた体験記を掲載しているのですが、今回はそのこぼれ話でも。

 

手袋の塩素溶液で洗浄する工程で働いていた時のこと。仕事を教えてくれていたネパール人の出稼ぎ労働者から「お前の給料はいくらだ」と質問をされました。私の給料は日本ではごく平均的な額ですが、彼らの収入が月に300400米ドルであることは知っていましたから、正直に話して反感を持たれてはマズイと思い「1,000米ドルくらい」と嘘を付いてしまいました。

 

果たして嘘を付くべきだったのか。内心はうかがい知れませんでしたが、そのときの彼の寂しそうな顔は今でもよく覚えています。私にはまだ答えを見つけられません。

 (商品企画 神戸)

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私は、この話を読んで、少し方向性は違いますが、昨年話題になったコムデギャルソンの川久保玲さんが「いいものは高い」という価値観を提示したインタビュー(興味がある方はソースがネット上にもあるので、探してみてください)を思い出しました。川久保さんはモノの質より安いものがもてはやされる風潮に対して

 

「ジーンズ1本が何百円なんてありえない。どこかの工程で誰かが泣いているかもしれないのに、安い服を着ていていいのか。いい物には人の手も時間も努力も必要だからどうしても高くなる。いい物は高いという価値観も残って欲しいのです」

 

と警鐘を鳴らしていました。安いという事は消費者にとって一見よいことのようにみえても、もとを辿れば、下請けの誰かが苦しい思いをしている一面もあります。

だから、私は安い以外の価値観でお金を遣いたいと考えています。例えば、フレッシュネスバーガーではハンバーガーというより「安心」を買う。コムデギャルソンでは服というより「反骨精神」を買う。モノの高い安いより、そこに思想や哲学があるから買う。そういう価値観があっても良いと思います。