スティーブ・ウォズニアック

こんにちは。

今回はシステム部の長谷川が最近感銘を受けた人物の紹介をしたいと思います。

 

みなさんはApple社を創業したスティーブといえばスティーブ・ジョブズだということはご存知だと思います。しかし、実は「もう一人のスティーブがいなければApple社は存在しなかった」と言われる人物がいたことをご存知でしょうか?
その人の名はスティーブ・ウォズニアックです。
ほぼ独学で世界初のパーソナルコンピューターである「AppleⅠ」を作り上げた天才エンジニアで現在もApple社の社員番号№1(ちなみにスティーブ・ジョブズは№2)としてAppleより給料をもらっている人物です。
技術者からは、その技術力の高さから「ウォズの魔法使い」とも呼ばれ、アメリカ国家技術賞とグレース・ホッパー賞を貰っているほどの人物です。

 

彼はハード・ソフトの両面において、芸術的と称される設計センスで、Appleの社風に根本的なインスピレーションを与えました。ウォズニアックに関わった人の中には履歴書に「ウォズニアック大学卒」と真剣に書く人がいたほどです。

有名なエピソードをいくつか紹介します。

 

【エピソード1】
当時、世界初のビデオゲーム会社として有名な「アタリ」という会社に勤めていたスティーブ・ジョブズは、ブロック崩しゲームである「ブレイクアウト」の設計を命じられましたが、自分の手に余る仕事であることを認識。
すぐに大親友だったウォズニアックに助けを頼んで、2人は4日間の徹夜で「ブレイクアウト」を完成させました。
ジョブズは報酬の山分けをウォズニアックに提案し、「アタリ」から受け取ったとする700ドルのうち350ドルを小切手にしてウォズニアックに渡しました。
しかし、実際にはジョブズは「アタリ」から5000ドルを受け取っていたのです。
そのことは後にウォズの知るところになりますが、彼はたとえ25セントしかもらえなくても引き受けただろうと語っています。

 

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【エピソードⅡ】
Apple社をジョブズと共に設立し、自ら作り上げた「AppleⅠ」を売った利益を元に、もっと安くて使いやすいパーソナルコンピューターとして「AppleⅡ」をほとんど独力で開発。
この「AppleⅡ」が爆発的に売れたことでApple社はIPO(株式公開)を果たし、ウォズには1億ドルを超える創業者利益が転がり込みました。
株を持っていたのは創業者と一部のマネージャーだけであったのですが、ウォズはストックオプションの権利を持たない従業員にウォズプランという形で、彼の所有分から1人2,000株まで買えるようにしたのです。
ジョブズ達は、この行為は間違っていると非難しましたが、ウォズは「おかげで家を買ったり、子供を大学に通わせたりできたと多くの感謝を受けた。やった甲斐があった」と語っています。

 

2014111901.jpgのサムネール画像

 

わたしがなぜこの人物に感銘を受けたかというと・・・・

もちろん私自身もエンジニアのつもりなので、スティーブ・ウォズニアックの偉大な功績に感動したということもあります。
Apple社の共同創業者スティーブ・ウォズニアックは「物を作る天才」(技術担当)、スティーブ・ジョブズは「物を売る天才」(営業担当)という人もいます。
世間ではスティーブ・ジョブズが伝説的人物として祭り上げられ、スティーブ・ウォズニアックはあまり目立たない存在です。
しかし、少なくとも草創期のApple社は80%は彼が創ったと言っても過言ではないと言われています。
現在のようにコンピュータが世界中に普及し、誰しもが手軽に使える社会が生まれるきっかけを作ったのは間違いなくスティーブ・ウォズニアックで、彼に別の優秀なパートナーが居れば、祭り上げられたのはスティーブ・ジョブズではなかったかもしれません。

 

しかし、私が感銘を受けた理由はそれだけではなく、スティーブ・ウォズニアックの人柄や考え方がとても素晴らしいと感じたのです。
色々調べれば調べるほど、彼の純粋な性格や、多大な才能を持ちながら、それをちっとも鼻にかけない温和な人柄に惹かれてしまいました。

 

ウォズニアックは「優れたエンジニアはアーティストである。」と持論を述べて次のように語っています。

「私の第一の目標は一生エンジニアとして働くことでした。ですから昇進はしない。管理職にはなるまいと誓ったのです。そして実際、管理職になったことはありません。
なぜみんなが肩書きを欲しがるのか、いまだに理解できません。今でも私はApple社の一員で、給料をもらっています。でも組織図ではずっと最下部にとどまっています。部下を持ったこともありません。
私はただ好きなことをしていたい。それは会社を経営することでも、他人に命令することでもない。
私はほとんどの人よりもずっと素晴らしい人生を送ってきました。おそらくエンジニアの成功というのはこうしたことなんでしょう。」

 

「僕が知るかぎり、発明家とかエンジニアっていうのは、みんな僕とよく似ている。
人づきあいが下手で、自分の中に閉じこもっちゃうタイプだ。
アーティストと似てるかもしれないな。いや、最高の発明家とかエンジニアっていうのはじつはアーティストなんだ。」

 

「そしてアーティストが真価を発揮するのは一人で仕事をするとき。画期的な製品や機能を生み出せる可能性が一番高いのは、一人で仕事をするときだ。委員会じゃダメ、チームじゃダメなんだ。」

 

最後に、スティーブ・ウォズニアックの人柄を表しているエピソードを紹介します。

 

彼は、Apple社の新製品をいつもAppleストアで行列に並んで購入するそうです。
しかし有名人である彼はいつもファンの人たちから写真撮影を求められたり、サインをしたりしている内に、みんなから「前にどうぞ」と言われ、結局、行列の先頭になることが多いそうです。
店に入った後、社員割引で買おうとして、「社員番号は?」と聞かれ満面の笑みで「№1です」と答えるのもいつものことだそうです。