10月の1冊

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こんにちは、PDR米澤です。

今回は相変わらず私の独断と偏見に基づいたおススメ書籍紹介第3回。

今回ご紹介させていただくのは今ではすっかり「沢尻エリカの夫」としてお茶の間に定着してしまった感のある高城剛氏による「サバイバル時代の海外旅行術」です。 

 

いきなり余談ですが、一般的には所謂109的なファッションブランドとして認知されている"CECIL McBEE"が、音楽好きからするとJohn ColtraneやPharaoh Sandersの系譜を継ぐジャズベーシストである様に、「宝島」「ポパイ」を読んでいた世代の方には高城剛氏は世間的な「沢尻エリカの夫」より「ハイパーメディアクリエイター」の肩書きがしっくりくるギャップが面白いと思う今日この頃。 

 

閑話休題、本書で氏は日本人が海外に行かない原因の一つが日本企業による海外旅行ガイドブックが「使えない」事だと指摘しています。

これは私も実際に国内用海外用問わず幾つかの日本のガイドブックを使った経験を振り返ってみると、確かに「使えない」事があった記憶があり、指摘もうなずけるような気がします。

その中で「使えない」理由の一つは、一般的な日本のガイドブック(ガイドブックに限らず雑誌一般にも言える事ですが)には多くの広告が入っていて、その広告主の意向に沿った情報に偏ったガイドブックになってしまっているということです。

また、情報が偏っていただけなら良いとしても肝心な情報が無い事が多い。

 

例えば、ガウディの建築などで有名なバルセロナはスペイン語ではなくカタランと呼ばれる独特の言語を公用語としていますが、そうした事が書かれていなかったりする。

実際に私もバルセロナを観光した事がありますが、地元の方が行く様な店では某日本のガイドブックで予習したスペイン語が通用しませんでした。

また、近年LCCと言われる格安航空券(場合によっては燃油代のみで飛行機に乗れる)が欧米の旅行者を中心に浸透している事などはこれっぽちも記載されていません。

 

本来は安く、気軽に行けるはずの海外旅行もある種の情報操作によって高くて、大変なものだと思い込ませられてしまっている事が多いのが現状。

現状がこれでは、同じ島国で人口は日本の半分程度のイギリスが海外旅行者数2位(2006年のデータ)であるのに反して日本は13位であるというのもしょうがないのかもしれません。 

 

ただ、これでは海外に行く人が少なくなり、日本、日本人はどんどん内向的になり、グローバル化が進む現代から取り残されていってしまいます。

この問題の究極の対策は高城氏も指摘していた様に個人個人でガイドブックを作っていく事かなと思います。

「百聞は一見に如かず」と言う様に最終的には自分の経験が頼りだと思いますので。