8月の1冊

悪人正機こんにちは、PDR米澤です。

8月も半ばになってしまいましたが、今回は自称活字病の私米澤より、今月おすすめの1冊を紹介させていただきます。

このコーナーの第1回目にご紹介させていただくのは、吉本隆明(著)糸井重里(聞き手)による「悪人正機」という本です。

出版は2004年と古いのですが、世界同時多発不況とも言える現代にこそ、哲学や思想といった無形財産に価値があるのではと思いましたので、その中でも切り口が独特で、文量的にも読み易いコチラの本をセレクトさせていただきました。 

 

おおまかに本の内容を述べますと、聞き手の糸井氏が人生相談風にネタを投げて、吉本氏が思いっきり場外までかっ飛ばすイメージ。 

その中で私が個人的に面白いなと思ったのは糸井氏の「一流になるにはどうすればよいか?」という問いかけに対する著者の吉本氏の

「つべこべ言わずに10年続ければ、それはもう、確実にモノになるんです」という主張です。

才能云々を全く度外視したこの主張は一見奇異にも聞こえます。

ただ、ドラフト外で入団したものの、「才能が無い」と言われクビ寸前まで追い込まれた事もある現楽天の野村監督が野球を続けたことで、名選手、名監督になった様を見るとその主張はうなずける気がします。

 

「吉本隆明」と聞くと難解だと先入観が入りがち(実際難しすぎて他の本は読む気にもなれませんでした)ですが、この本は「吉本隆明」というステレオタイプなイメージを壊す。私達の日常的な価値観を壊すという意味でパンクであり、かつ読み易い分量になっていますので、気になる方は是非一度手にとって読んでみてください。