2020年9月Vol.92 サクッと小噺

※小噺は過去分を随時アップしております。内容に時差がある場合もありますが、是非ご覧ください。

我々はいつ「人間」になったのでしょう? 人間も動物ですが、しかし他の動物とは一線を画します。
空を飛べるわけでもなく、海を泳げるわけでもなく、脚も遅く、牙もなく、それでも地球で最上級の繁栄を誇るようになったのは、いつ、なぜ、なのでしょうか? 大昔から現代まで、私達はこの謎を追っています。

 

《NHK特番より 2019年放送》
人間の祖先はもともと木の上で生活していました。しかし気候変動で木が減って、やむを得ず地上に降ります。非力で脚力もない人間は、小動物を捕まえることもできず、ましてや肉食動物と戦うなんて論外です。彼らが入手できた食物は木の実だけ。味はイマイチですが選り好みはできません。大人しく木の実を食べていました。
しかしある日、人間は火を使うことを覚えます。木の実を火で熱して食べてみたら…美味しい!これは美味しい!!木の実を熱するとデンプン(糖)が増えます。そして人間に限らず全ての動物の脳において、脳のエネルギー源は糖だけです。人間は火を覚えたことによって、糖の過剰摂取を始めます。糖の過剰摂取によって、脳はどんどん大きくなります。脳が大きくなったことで、人間は複雑な道具やコミュニケーションを駆使できるようになり、自分達よりはるかに筋力や体力や瞬発力の優れた動物と互角に─いや、それ以上に─戦えるようになったそうです。つまり、NHK特番によれば、人間が他の動物と一線を画すようになったのは、デンプン(糖)の過剰摂取によって、脳が大きくなったのが始まりといえます。

 

《聖書より 紀元前5世紀頃(諸説あり)に編纂》
神様は七日間で世界を作り、人間(男性はアダム・女性はイブ)と動物を作ります。人間と動物は楽園で幸せに暮らしていました。しかしある日、神様から禁じられた「知恵の実」を食べてしまった2人は、楽園から追放されます。追放の際に神様が2人にかけた呪いは、「アダムよ、これからお前は働かなくては食べられないようにしてやる(つまり楽園では働かなくても食べられた)」と「イブよ、これからお前は出産の時に痛くしてやる(つまり楽園では出産は痛くなかった。聖書には楽園における出産の記述はありませんが…)」です。
現代の女性は子を産むだけではなく働く人も多いので、呪いが増えているような気もしますが(苦笑)、
とにかく楽園追放の際に女性にかけられた呪いは「出産の痛み」です。かわりに、知恵の実を食べたことによって、人間は知恵を得ています。知恵とは具体的に何か?は、聖書では説明されていません。
しかし仮に、知恵とは「道具やコミュニケーションを駆使して、他の動物より強くなる力」だとしたら、NHK特番に通じるものがあります。NHK特番に沿って解釈すると、「知恵の実」は「糖」かもしれません。

 

《大学の生物学の授業より 2007年》
一般教養でとった生物学の授業で、教授から聞いた話です。「出産が死ぬほど痛いのは人間だけ。理由は、産道や膣のサイズに対して、赤子の頭が大きすぎるから。でも、頭が大きいから、人間は他の動物よりはるかに高い知能を得た」そうです。頭が大きいから知能が高い、頭が大きいから出産が痛い・・・NHK特番や聖書に通じるものがあります。NHK特番、聖書、生物学者の話を合体して仮説を立てると、知恵の実(糖)の摂取 → 脳の成長 → 知能の向上&出産の痛み、と連想することができます。

 

言われてみれば「当たり前じゃん」かもしれないし、これで人間の謎が解明された訳でもありません。しかし、NHK局員と聖書編纂者と生物学者という、お互いに意識していないであろう人達が、どことなく繋がった理論を展開しているのは、なかなか興味深いと思いませんか。

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