2016年10月Vol.51

こんにちは、サクっと小噺のサクライです。最近TVアニメの「アルプスの少女ハイジ」(1974年放映)にハマって、レンタルDVDを楽しんでいます。実は義父に「ハイジにそっくり」と言われまして。「どこが似てるんだろう・・・」と興味を持って見始めたんです。
 ─ うん、確かに髪型と体型は似てます。服装もちょっと似てます。素直そうに見えて、意外と人の言う事を聞かないところも似てるかもしれません(うふふ・・・)。

 

 「アルプスの少女ハイジ」は、若いころの宮崎駿や高畑勲が作っています。いわばジブリの前身ですね。簡単にストーリーを説明すると、5才の女の子がアルプスの生活を通して、自然の尊さ恐ろしさ、人や動物との付き合い方を学んでいく、成長物語です。たとえば雪崩に巻き込まれそうになって、楽しい春が来る前には恐ろしい事も起こると知ります。たとえばヤギを甘やかして群れの統制がとれなくなって、優しいだけではダメだと知ります。たとえば盲目のおばあさんと付き合って、誰かの役に立つ喜びを知ります。子ども向けアニメだけど、いや、子ども向けアニメだからこそ、とっても深いんです。宮崎駿と高畑勲が、子ども達に何を伝えたかったのかハッキリ分かります。強く優しく育ってほしい・・・という、作り手の切実な願いがあります。

 

 ハイジに非日常は出てきません。ハイジは魔法も使えないし、変身もしないし、モンスターも捕まえません。逆に昨今のTVアニメはそういった非日常で溢れていて、すごく刺激的です。そして ─ 全部ではないのでしょうが大半からは  ─ 商魂を感じます。魔法のステッキ、変身の衣装、モンスターを捕まえるアイテムなど、TVと玩具とゲームが一体となって、子ども達の物欲を刺激します。しかもスピードが速い。ちょっと前まで最先端だったグッズが、すぐに古臭くなってしまうんです。これぞ高度資本主義社会。ビバ消費!まわれ経済!

 

 昨今のTVアニメを悪いというつもりはありません。アニメは日本が世界に誇るポップカルチャーです。TVアニメ経由で日本を好きになる外国人は沢山いて、彼らが日本に遊びに来たり、働きに来たりすることは、とても喜ばしいことです。ただ、子どもが主役の業界にも、「商売」がずいぶん幅を利かせるようになったんだなぁ・・・とは思います。

 

 お子さん、お孫さんがいる方、いないけどアニメが好きな方、興味があればぜひご覧になってみてください。
「となりのトトロ」や「魔女の宅急便」が好きなら、たぶん「ハイジ」も好きですよ☆