2016年4月Vol.45

こんにちは、サクライです。もうすぐ6月、ジューンブライド・・・と言っても、6月の結婚式が人気なのは梅雨の無い欧米だけで、日本では式は少ない季節だそうです。できれば雨は避けたいですものね。ところで、私は今年の1月に挙式したのですが、雨どころではないハプニングがありました。

 

花嫁のベールの意味をご存知ですか?ベールは「両親の保護」を表しているそうです。そしてベールアップする新郎の行為には「これからは僕がお守りしますよ」という決意が込められています。ベールはとても象徴的で大事なアイテムなんです。

 

さて、サクライの挙式開始。父と腕を組んで入場する時、私の頭の中は「右足で蹴っ飛ばして、両足そろえて、左足で蹴っ飛ばして、両足そろえて・・・」でいっぱいいっぱい。裾の長いウエディングドレスは普通に歩けないんです。一歩一歩、足を前に蹴り出しながら進みます。感動よりも行進に気をとられて・・・

 

あっっ? ? ! !ふいに気づきました。ベールがあがったままだ!
緊張のあまり、入場前にベールを下げるのを忘れました。私が忘れるのはともかく、式場スタッフが忘れるのはどうなんでしょうね。 ベールを上げたまま、ロボットダンスのように進む私・・・。ひきつった顔をむき出しにして、バージンロードを進む私・・・。「ベールを被っていない」=「両親に守られていない」のだとしたら、隣を歩んでいる父の意味って・・・? 式場スタッフのオオタさんに目でサインを送りますが、彼女は優しく微笑んでうなずくばかり。うなずいてる場合じゃないんだよ、オオタさん!

 

エスコートが父から新郎に移り、壇上に立って参列者の方へ向き直り、お辞儀・・・。この時点で気づいていたのは私一人だったようです。父も気づかず、新郎も気づかず、オオタさんも気づかず、せめて司会者が気づいてくれたら良かったのですが、司会者の立ち居地から新婦はほとんど見えません。司会者も台本通りにコトを進めます。
「それでは、今まで二人を隔てていたベールをあげていただきましょう。」

 

新郎はベールをあげようと両手を掲げて・・・ようやく彼も気づきます。彼の手はむなしく空をかく事しかできません。
ここで慌ててオオタさんがやってきて、ベールを下げてくれました。そして下げられたベールは、3秒もしないうちに新郎によって再びあげられました。ベールの存在意義、薄すぎ。

 

挙式後、私達は怒っていなかったのですが、オオタさんは謝ってくれました。「もしお嫌でなかったら、式のお写真をプレゼントさせてください。ただ、新婦様はベールをあげたまま入場しているお写真です・・・本当に申し訳ありません!!」もともと購入予定だった写真です(約6万円)。ありがたく受け取りました。

 

──  式の帰り道

 

旦 那「僕ら気にしてないのに、6万円もトクしちゃって、逆に申し訳なかったね」
サクライ「過ぎた事だから怒らなかっただけで、もし挙式前に“ベールをあげたまま入場したら6万円ディスカウント”と話を持ちかけられても、私は断ってるよ」
旦 那「・・・ごめん」

 

そんな会話で終わった、サクライの結婚式でした(苦笑)。