2016年3月Vol.44

こんにちは、サクッと小噺のサクライです。弊社の新カタログ(Vol.30)はご覧いただけましたか?
ピンク、ブルー、イエロー、グリーン・・・鮮やかな色水を入れた紙コップが並んだ、とってもカラフルな表紙です。
手前味噌ですが可愛い表紙だと思います。でも今日は表紙ではなく、裏表紙の豆知識をお話します。

 

裏表紙の右上に蝶がいるので、ぜひチェックしてみてください。この蝶はオオカバマダラといって、環境にとても敏感です。自然豊かな土地でしか生きられません。実はこの蝶マークは「この印刷物は環境を配慮して作りました」という証なんです。

 

私達の経済活動はどうしても環境を汚染します。チラシを作るために木を切り、商品を作るために機械を動かし、商品を届けるためにトラックを走らせます。
でも、私達は自然に生かされています。自然を壊してしまったら、経済活動も何もあったものではありません。だからできるだけ環境に配慮した経済活動をしよう―そんな取り組みの一環がこの蝶マークなんです。

 

蝶マークの印刷物は「水なし印刷」という技術を使って作られています。一般的なオフセット印刷(平版印刷)は「水あり印刷」といって、大量の水を使います。水が油をはじく性質を利用してインクのつかない部分を版に作り出すことで印刷します。この方法では有害な化学物質を含んだ廃液が多く排出されます。

 

一方で、水あり印刷より新しい技術である「水なし印刷」は、水のかわりにシリコンを使います。インクを乗せ
たい部分だけ、シリコン層に穴をあけます。この穴の部分にインクが入り込んで、紙に転写されるんです。印刷物をよ~く見ると、この『穴』が分かります。たとえば弊社のカタログVol30表紙の「P.D.R.」という帯はグリーンです。でもよ~く見ると、小さなブルーの点々とイエローの点々でできています。これがシリコンの穴に入って紙に転写されたインクなんです。

 

水なし印刷は有害な廃液が出ないだけでなく、水あり印刷よりも色が綺麗に仕上がります。イイ事づくめだから全て水なし印刷に切り替わればいいのに―と思うのですが、印刷機を変えるのも大変で、水あり印刷よりも高価になりがちなので、世の中の主流はまだまだ水あり印刷だそうです。水なし印刷で刷られたカタログは貴重って事ですね!

 

そんなわけで、私達はささやかながら環境に配慮したくて水なし印刷を使っています。P.D.R.カタログに限らず蝶マークを見かけたら、「企業から環境へのちょっとした気遣いなんだなぁ」とあたたかい目で見ていただけると幸いです。